商工会活用術 創業編

商工会の持つ
ノウハウを活かして
売上アップを。

アンダイ合同会社

支援を受けるきっかけ

 小規模事業者持続化補助金の窓口が、みやぎ仙台商工会でした。2020年2月頃に補助金申請の手続きを手伝っていただき、無事採択できたのをきっかけに入会しました。また、その年に仙台市でコロナ禍に対応して割増商品券が発売されたのですが、商店会に入っていないと取扱店になれないということで、そのことも入会を後押ししました。
 私自身は企業の中で商品の企画を立てたり、社内ベンチャーも経験して、民間企業相手のノウハウは身に付けているつもりですが、補助金は国や自治体が相手なので、それに対する独特のルールや書類の書き方をアドバイスいただけたのがありがたかったです。
 

取り組み・活用方法

 開業してすぐにコロナ禍になったこともあり、持続化補助金の半分はマスクや店舗で使用する空気清浄機の購入などのコロナ対策でした。もう半分はチラシの制作・配布などのPRに使用しました。家具屋には広い床面積が必要なので住吉台で開業したのですが、ここまでお客様に足を運んでいただくのは大変で、何度かチラシの配布を行いました。これまではあまり効果はなかったのですが、この夏に枚数を増やして広く配布したところ結構反響があり、今もそれでおいでになるお客様がいらっしゃいます。
 家具のことに詳しいお客様からすると、いい店ができたなと思っていただけるのですが、そうでなければ高いというイメージが強いかと思います。ですから新たに家を建てるという方や、40~50代のお客様が多いようです。家具でも椅子やソファーがよく売れています。受注生産ですので在庫があるわけではなく、ご希望の木の種類や張地をお客様に決めていただいてからの発注になります。自分のための「特別な一脚」を求めるお客様が最近は増えてきています。
 

支援を受けての感想

 持続化補助金はまた次の分が申請できるタイミングだと思うので、補助金が採択された際には取り組みたいことがあり、補助金などの支援については、これからも継続的にご協力いただきたいと思っています。今後は商工会に入会している企業の横の連携のような、マッチングや情報交換する機会を設けてほしいですね。東京で働いていた時には、旅館やホテルに家具の納品をしていたので、そういった繋がりを見つける場があるとありがたいです。
 また、一般のお客様に商品やサービスを見せる場を提供していただければと思っています。当社の店舗では「何かイベントをやっている」と知っていただいても、実際に足を運びづらい立地ですので、例えば泉中央や仙台駅近くで、商工会のメンバーの仕事や商品がわかる展示会やイベントを開催していただきたいです。とにかく売上を伸ばしていくのが一番の目標なので、それに対して実際に商売ができる場を提供していただければと思います。

事業所のPRポイント

 一般のお客様への店舗での商品の販売と、オフィスや店舗、公共施設など事業をされているところ向けの家具の製品・販売が大きな柱です。私が企画・デザインし、製作は宮城や秋田、北海道の工場で行っています。コロナで在宅ワークが増え、事務机ではなく、一般のご家庭に合う木のワークテーブルなども開発しました。
 当社の開発ではありませんが、デンマークのデザイナーがデザインし、日本の工場で製作する、いわゆる北欧家具も扱っているのですが、北欧家具の潜在需要は結構あります。
 また「kitakami」シリーズは、私がずっとお世話になっているデザイナーの小泉誠さんのデザインです。全国の森林組合では、スギやヒノキなどの針葉樹しか取り扱いがなく、それらは柔らかすぎて家具には向きません。東京にいた時に展示会で、コナラ・クリ・ケヤキなどの広葉樹を扱っている登米森林組合と出会ったことが、宮城県北の木材を使った「kitakami」シリーズの開発に携わったきっかけです。

商工会の活用ポイント

 商工会という組織のミッションの一つは、会員・企業をいかに育てて伸ばしていくかということと思います。そのためには、どうやったら上手く売上を上げられるか、補助金を取れるかを一緒になって考えてもらえると助かります。商工会の方にそういうスタンスに立っていただけるかどうかが非常に重要です。当社に合った補助金や展示会の情報をいただいたり、親身になって考えていただけているので、入会して良かったと思っています。

【活用した支援メニュー】
創業支援

 東京で文房具やオフィス家具を製造・販売する「コクヨ」に長く勤め、2019年3月に宮城県にUターンしました。社内ベンチャーで国産木材や技術を活かしたインテリア商品を販売する店を経営していたので、そのノウハウを生かして「アンダイ」を立ち上げたのは2019年10月。その際、経理的なことに関して専門家派遣で税理士を呼んでいただき、お話を伺いました。また、小規模事業者持続化補助金の申請もお手伝いいただきました。
 

利用できる補助金は時節によって様々です。
詳しくは商工会までお問い合わせください。

取材先企業

アンダイ合同会社
代表・インテリアプランナー
鹿野 勝則さん
 
国産木材を使用し、国内外のデザイナーによるワンランク上の家具・クラフトの製作と販売。また登米森林組合とコラボした新しい家具「kitakami」シリーズを販売しています。

事業者情報

アンダイ合同会社

〒981-3222 宮城県仙台市泉区住吉台東1-2-8
TEL: 050-3704-5086
URL:https://anda-i.com/
 

大量生産では味わえない贅沢を

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