商工会活用術 事業再構築編

店舗を構えたことで
お客様と病院の先生からの
信頼度がアップしました。

支援を受けるきっかけ

 独立当初にみやぎ仙台商工会に小規模事業者持続化補助金のご相談をし、採択になったと同時に入会しました。当時は訪問販売でしたので、店をPRするために置いていただくポップや、インターネットでの広告費などで活用しました。商工会のご担当の方とは、情報を提供していただくだけでなく「いつかは店を持ちたい」という話もしており、そろそろ機が熟したかなというタイミングで事業再構築補助金のご相談をして実現しました。日頃からこちらがやりたいことや困っていることをまめに伝えておくと、それに合った情報やアドバイスをいただけますし、非常に心強い存在です。
 

取り組み・活用方法

 当店の特徴は、東北最大級の広さの特別防音測定室があることです。一般的には0.5~0.8畳くらいの測定する部屋に入り、そこでヘッドホンを付けて測定するのですが、検査が多いと出たり入ったりしなければならず、補聴器を必要とするご年配の方々には負担になります。また閉所恐怖症など、狭い空間に入ることに不安を感じる方もいらっしゃいますので、お客様にリラックスしていただける広い部屋にしました。
 私は13年間補聴器のメーカーに勤めており、その時は販売店がお客様だったため補聴器ユーザーの方との接点はほとんどありませんでしたが、お客様の不満や補聴器に対する不信感は耳に入ってきました。私がやりたかったのは、補聴器を通して自分とお客様とで喜びを分かち合うこと。店名の「わとな」は青森県津軽地方の方言で「(わ)たし(と)あ(な)た」という意味です。この店舗を構えたことでイメージが上がり、販路も広がりましたが、当店の特徴は人との繋がり、お客様からのご紹介で繋がっています。Googleの口コミ数もダントツに多く、本当に店舗を構えて良かったと実感しています。
 

支援を受けての感想

 商工会からはメールや情報紙が届きますが、それを見ているだけではどれが自分にとって必要なのか悩んでしまいます。ありがたいことに、今は様々な補助金があるので、商工会の担当者に日頃から自分の考えを伝えておくことによって、自分に合うものを教えてくれます。最近は小規模事業者持続化補助金の第二弾でチラシを作りました。これは耳鼻科のない川崎町で定期的に行っている「聴こえの相談会」の開催告知チラシです。耳鼻科の先生方の間では、認知症と難聴の関係性が非常に話題にされています。難聴がきっかけで認知症になる割合が大きいので、補聴器を付けて難聴である状態を放っておかないことがとても大事だと言われています。こういった活動ができるようになったのも、店舗を構えたことで自治体から信頼されたことが大きいと思います。今後は高齢化や過疎化で、こういった相談会が必要な自治体も増えると思いますので、必要のあるところで積極的に開催していきたいと思っています。

事業所のPRポイント

 一般的に補聴器は、耳鼻科の先生から補聴器の専門店を紹介されることが主流です。もうひとつは眼鏡屋さんでお求めになられる方もいらっしゃいますが、認定補聴器技能者の資格を持ち、きちんと対応しているところで購入されることをおススメします。眼鏡屋さんですと、社内研修をされているところもあります。
 当店では7メーカーの補聴器を扱っています。それだけ扱っているのも県内ではトップです。他の専門店はメーカー直営店が多いですが、うちは代理店ではないことがポイントです。直営店ですと選ぶ範囲が限られてしまいますが、当店では7ブランドの中から、お客様に好みの音質を選んでいただけます。車のエンジンやデザインにも好みがあるように、ブランドによって補聴器の音質や特徴も違います。お客様に好きなだけ聞き比べをしていただき、気に入ったものを選んでいただくことで、補聴器に対する気持ちも前向きになりますね。今はデザインもカラフルなものがあり、見られても恥ずかしくないというより、逆に見せるようなデザインもあります。補聴器も進化していますので、「聴こえ」が気になったらいつでもご相談ください。

商工会の活用ポイント

 事業をしている方々は、商工会と接点を太く持てば、本当にいろいろな意味でサポートしていただけると思います。情報提供と相談のしやすさがありがたいですね。従業員数や会社形態に応じて変わりますが、会費は比較的安価だと思います。そして何といっても相談が無料です(笑)。何回でも相談に乗っていただけるので、これは使わない手はないと思っています。これからも頼りにしています。

【活用した支援メニュー】
事業再構築補助金

 2019年5月に13年勤めた補聴器メーカーから独立し、自宅を事務所にして訪問販売を始めました。拠点が自宅ですと、補聴器のメインの客層である高齢者などからのイメージがあまり良くなかったため、店舗販売への業態転換という位置づけで事業再構築補助金を申請し、昨年11月に店舗をオープンしました。訪問販売ではなく出張販売になると、イメージがまったく変わります。ご高齢の方々のイメージアップになったことと、測定室を完備したことで病院の先生方からの信頼と信用も上がり、販路が広がりました。
 

利用できる補助金は時節によって様々です。
詳しくは商工会までお問い合わせください。

取材先企業

わとな補聴器
代表 安野 英彦さん
 
東北最大級の防音測定室を持ち、認定補聴器技能者資格を持つ「聴こえのプロ」が、お客様それぞれに合った補聴器をご提供します。ご来店が難しい方や地域への出張訪問も行っています。

事業者情報

わとな補聴器
店舗 〒983-0037 宮城県仙台市宮城野区平成2-1-3
TEL: 022-369-3369
本社 〒989-3123 宮城県仙台市青葉区錦ケ丘8-26-21
TEL: 022-706-3321
URL:https://www.watona2019.jp/
 

聴こえる人生の喜びを分かち合いたい。

視力と同じように、加齢とともに聴力も衰えるもの。お客様のお好みに合った音質の補聴器を一緒に探して、きちんと聴こえる喜びを分かち合えればと思っています。聴こえに不安を感じたら、ぜひご相談ください。